新婚旅行の腕相撲でまさかの完敗!?

新婚旅行の腕相撲でまさかの完敗!?

リゾート地のホテルで腕相撲をする細身で力持ちな新妻

南国のきらめく太陽が白い砂浜に反射し、心地よい潮風がテラスへと吹き抜ける。ここは、憧れのリゾート地での新婚旅行先。二人きりの甘い時間を満喫しながら、ふと私たちはホテルのソファに腰を下ろし、アルバム代わりにスマホのフォルダをパラパラと捲っていた。

「おっ、この写真……懐かしいなぁ。大学四年のころの思い出だ」

私がそう言って画面を差し出すと、隣に座る妻がふふっと柔らかな笑みをこぼした。サマーワンピースに身を包んだ今の彼女は、どこからどう見ても清楚で愛らしい、自慢の新妻だ。しかし、画面に映し出されているのは、周囲の友人たちがどよめく中、成人した私を涼しい顔で軽々と肩車している、信じられないほどパワフルな当時の彼女の姿だった。

「あの頃から、君は本当に力持ちだったよな……」

「ふふっ、私、大学のときも体力と筋肉だけは誰にも負けなかったからね!」

誇らしげに胸を張る彼女を見つめながら、私はふと、当時の圧倒的な腕力を思い出して冷や汗が流れる。今の清楚なサマーワンピース姿からはまったく想像がつかないが、彼女の中身は当時と変わらず最強のままなのだ。

「なんだろう、それじゃあ今の私でも当時のパワーが衰えてないか、試したくなっちゃったな♡ねえ、学生時代を思い出してさっそく腕相撲で勝負してみようっか?」

そう言って、彼女は悪戯っぽく微笑みながら、ワンピースの袖をグッとまくり上げた。現れたのは、モデルのような華奢な体型からは到底信じられない、しなやかで美しい、それでいて圧倒的な説得力を持つ見事な上腕二頭筋だった。社会人になっても、この筋肉は現役バリバリだという証明である。

「ほら、どう?」と自信満々にポーズをとる彼女の姿に、私は内心冷や汗を隠せない。

「ふふーん、まさか大学時代より弱くなってるなんて言わせないよ……いけるの〜?」

挑発するようにじっと見つめてくるそのジト目は、当時の思い出を鮮やかに呼び起こす。うっ、そのジト目と見事な力ポーズは反則でしょ……! また加減なしでボコボコにされそうだ……! しかし、新婚旅行のテンションと、目の前の可愛い妻の勝負の誘いを断るわけにはいかない。私は覚悟を決め、向かい合ってテーブルに肘をついた。

「よし、手加減なしだからね!」

「わかってるって……いくよ、せーのっ!」

ガッチリと組み合う互いの手。結婚式を終え、夫婦となって初めて交わす真剣勝負。私は夫としてのプライドをかけ、全体重を乗せる勢いで力を込めた。しかし――。

「くっ……!」

始まった瞬間、私の腕はまるでビクともしない大木のように固定された。それどころか、彼女の腕からじわじわと、あの頃と全く変わらない、あるいはそれ以上の圧倒的な重圧が押し寄せてくる。

「あれ〜? おかしいな、もっといけると思ったんだけど……♡」

余裕の笑みを浮かべる彼女に、私の腕はゆっくりと、しかし確実に傾かされていく。じりじりと追い詰められ、額に汗がにじむ私を見つめながら、彼女は愛おしそうに目を細めた。

「新婚旅行だからって、油断しちゃダメだよ?」

そう囁かれた瞬間、グッと押し込まれ、私の手はあえなくテーブルに倒れ伏した。

「……ま、参りました」

完敗だった。私は苦笑いを浮かべながら、両手を上げて降参を示す。彼女は満足そうにふふっと笑うと、パッと手を離し、すぐに私の隣にぴたりと寄り添ってきた。

「やっぱり、私の自慢の旦那様は昔のままだね。これからもずっと、こうして楽しく過ごそうね」

そう言って優しく微笑む彼女の温もりに触れながら、私は思った。モデルのように美しく、誰よりも力持ちで、最高に愛しい妻。これから始まる長い夫婦生活、彼女に力で敵う日は一生来ない気がするけれど――そんな幸せな敗北なら、何度味わっても悪くない。

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