重力に抗えない、僕の絶望
強い男が、もっと強い女にひざまずく。そんなありふれた夢を、もっと生々しく、もっと残酷に描きたかった。72kgあるはずの僕の体が、彼女の細い腕一本で宙に浮く。その瞬間、僕のプライドは重力と一緒にどこかへ消えてしまったんだ。
彼女の指が首に食い込む。呼吸が止まる。視界が白くなる。そんな極限状態の中でさえ、どこか冷静に「ああ、僕は今、この女の掌の上にいるんだ」と実感してしまう。
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戦うための筋肉が、彼女にとってはただの「心地よい重み」でしかない。渾身のタックルを肩で受け止められ、必死の締め技を「おんぶ」だと笑われる。プロの格闘家として積み上げてきたものが、金髪の少女の圧倒的な馬力の前に、音を立てて崩れていく。
見上げる彼女の横顔は、あんなに華奢なのに。1分以上も僕を吊り上げたまま、呼吸ひとつ乱さない。その理不尽なまでの「差」に、僕はもう、恐怖よりも先に深い悦びを感じ始めていた。
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そして、一番描きたかったのがあの瞬間だ。「降ろして」と縋り付いた僕を、彼女は無邪気に裏切る。「なーんてね!」という声と一緒に始まった、100回のスクワット。
担ぎ上げられたまま、上下に揺さぶられる僕。もはや僕は人間ですらない。彼女の太ももを、彼女の美しさを完成させるための「生きたバーベル」なんだ。
この屈辱。この無力感。一度味わったら最後、もう普通のリングには戻れない。僕と一緒に、この抗えないパワーの底まで堕ちていこう。
このシーンが好きなら、作品本編はもっとすごい。
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