理不尽な力に惹かれる理由
なぜ、私はあんなにも理不尽な力関係に惹かれてしまうのだろう。
145cmの小柄な少女・Moeを描きながら、私自身が一番、その異常な光景に酔いしれていたのかもしれない。
どこにでもいるような華奢で愛らしい女の子が、自分より20kgも重い、鍛え抜かれた相手を軽々と頭上へ掲げる。
強いはずの女プロレスラーが持ち上げられる瞬間の、重力すらバグってしまったかのような浮遊感と、そのまま抗えずに屈服していく姿を、どうしても描きたかったんだ。
プライドが砕け散る、その甘美なグラデーション
最初は余裕ぶっていた大人の女性が、徐々に追い詰められていく。
自慢の渾身のパンチは涼しい顔で受け止められ、焦りと恐怖が全身を侵食していく。
最後は2人がかりでも手も足も出ずに、「潰されたい? リフトされたい?」と残酷な二択を迫られる。
大人の、そして強者としてのプライドが音を立てて粉砕される過程。
ここには、私自身の体格差逆転というシチュエーションや、圧倒的筋力に対する抗えないフェチが、これでもかと詰め込まれている。
ただの「荷物」になるという悦び
とくにこだわったのは、66kgの肉体を浮かせるシーンだ。
腰を落として、踏ん張って持ち上げるんじゃない。
まるで軽い羽毛でも扱うかのように、ただ腕と背筋力だけで「すっ」と宙へリフトする。
あの時の、持ち上げられる側の太ももに、Moeの細い指がギリッと食い込む感触。
抵抗すら許されない絶対的な力の差がもたらす、あの深い絶望感。
もしあなたが、毎日強がって生きることに少し疲れたのなら。
この理不尽な力の前で、すべてのプライドを脱ぎ捨てて、彼女の細い腕の中でただの「荷物」になってみるのも、悪くないんじゃないだろうか。
このシーンが好きなら、作品本編はもっとすごい。


